2026.04.05
お知らせ
ほしの どう?|清明
■ほしの どう?
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「ほしの どう?」は星野株式会社が発行する季節のお便りです。商品のことや、日々の小さなエピソードをお届けします。
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2026年4月5日 | 清明
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A Small, Good Thing FOUNTAIN
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この頃は陽が伸びてきた、そう感じる頃になると春の展示会シーズンもようやくひと段落します。今年は北海道から九州まで、二十カ所で展示会に参加させていただきました。
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展示会場では、私たちのものづくりがきちんと届いているのだと感じることができました。ふだんお客さまに接する機会が少ない私たちにとって、かけていただいた言葉や表情の一つひとつが、手探りで進んできた道に灯りをともしてくれるようでした。
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ものづくりのヒントは、いつもお客さまから聞かせていただく何気ない日常のエピソードの中にあります。仕入れのことや接客のこと、花束やブーケづくりのことなど、日々繰り返される出来事の中から、商品を生みだすためのヒントをいくつもいただいてきました。
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「手みやげに、アレンジメントでは大袈裟になるので、ちょっとしたブーケを持っていくとときどき先方に花器がなくて困ることがあります」
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この春の新商品のひとつ、紙のブーケスタンドはそんな声から生まれました。声の主は「ブーケの軽やかな佇まいのまま置いておけたらいいのにと思うんです」と言って、こんな話をしてくれました。
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「花は吸い上げた水を花弁や葉から蒸散していて、簡単に言えばそこで水が循環しています。花が空間にあるとなんかイイな〜と感じるのは、その小さな循環によって空気が震えるからなんだなと思っていて、それは音楽と同じ作用なんですよね」
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そのとき空気が揺れるような気配がして、耳の奥にふと聴こえてきたのはサティのジムノペディだったでしょうか。モノクロームな冬の余韻を、春の草花たちがあわい色に染めていく。そんな静かな季節の移ろいを奏でるような音楽です。
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花をいけ、水が巡り、空気が震えて、潤う。その小さな装置として、紙のブーケスタンドを「ファウンテン」と名づけました。お届けしたいのは、目には見えないけれど、確かにそこにある心地よさ。ささやかだけれど、役に立つこと。
